甲佐町の状況(福岡支部視察)

福岡支部では緊急拡大幹事会を開催し、熊本地震について支部としての対応を検討しまして、浜崎さん(会員)のご友人で甲佐町でグループホームせせらぎをなさっている高橋恵子さんに連絡しお伺いすることにしました。

施設は築100年ほどの民家を改修したものですが、大きな被害を受け、入所者と共に避難されているそうです。 

グループホーム「せせらぎ」http://www15.plala.or.jp/ghseseragi/

 

「せせらぎ」に行った時は雨風がひどく、ビニールシートの隙間に雨が吹き込んで雨漏りがしてきました。「梅雨に向けて応急手当をしてほしい。」と切実に話されていました。

 

ご要望のあったケア付仮設住宅の資料や支援物資をお渡しましたが、今後どのような支援ができるかを検討する必要があります。

しかし、ケア付仮設の建設などについては行政もあまり乗り気ではないため、このような施設の被災問題については考えさせられます。

 

その後に益城町に行ったのですが、被害の状況が近隣市町村よりも甚大であり、甲佐町などにはまだとても復旧の手が回りにくいのではないか?と感じました。

 

近くにあるもう一つの福祉施設を訪問しました。

こちらの施設は、木造による耐震補強がきちんとなされていたためか、極端な構造体への被害はあまり見受けられませんでした。

浜崎さんからのメールを添付します。

 

浜崎です。その後、高橋さんと連絡し要望事項などについて聞きましたので、お知らせします。

 

昨夜のお話で、物資は余っているので不要であるが、是非建築関係の人に持って来ていただきたものはケア付き仮設やグループハウス尼崎、グループリビング等の資料です。

行政にケア付き仮設の必要性や早期建設を訴えているが、そのための説得資料がないということです。それで、今朝、グループハウス尼崎の設立者に電話したら、既に益城町に支援に入っていました。

 

高橋さんのいるグループホームせせらぎに行って、話をしてもらいたいとお願いすると、直に向かい始めたのですが、車の渋滞がひどくて今日、大阪に帰る飛行機に間に合わないということで、後で資料を郵送する約束になりました。それから、グループホーム尼崎の設計者でケア付き仮設の研究の第1人者である三浦先生に電話して、ケア付き仮設の調査や論文等の資料をメールで送れる範囲で先ず送っていただくことにしました。

 

今朝、高橋さんから建築関係者への要望です。現在、益城、御船などの地域では、半倒壊家屋で寝れないために納屋や車中、テントで寝て生活しています。納屋や車、テントでの住環境を少しでも良くするための建築家としてのアドバイスと、そのために役立つものがあれば持って来てほしいということです。視察に来られるなら、どのような環境でしばらく暮らさなければならないか、それを少しでも快適にするために何ができるかという視点で、見てほしいということです。今日、29日は周辺のガレキ撤去に回らなければならないとも言ってました。

 

新建築家技術者集団のような全国組織にお願いしたいことは、ケア付き仮設の早期建設や長期的には福祉仮設住宅などの必要性を、熊本県、甲佐町、益城町などの行政に直接提案してほしいということです。私も住民当事者からの訴えと専門家集団からの提案の両方が必要だと思います。

建まちの451号にも特集が組んでありますが、阪神淡路大震災や東日本大震災の教訓を熊本大地震の復興に少しでも役立てるように私たちも動くべきだと思います。そういう意味で、新建福岡を拠点としながら全国からの情報収集を図り、熊本の復興支援をしてはいかがでしょうか?(片井さん、全国へ協力の呼びかけをお願いします)

 

5月3日は、先ず高橋さんのいる上益城のグループホームせせらぎに行って話を聞いた後、納屋や車中にいる方へのヒヤリング等もしつつ、現状把握ができればと思います。現在テレビによく出ている益城町の避難所とせせらぎの間は普通は車で20分くらいですが、現在は倍以上の時間がかかるそうです。せせらぎ等の住所はホームページにあります。

3日に行くときに、上記の納屋で暮らす人たちが少しでも快適になることに役立つものを持って行けるといいのですが、皆さんの知恵とアイデアを出し合いましょう。多くの住民は避難所の寝泊まりも避けたいようです。

以上、取り急ぎのご報告です。

 

 

2016年4月29日 7:37